口臭対策のさまざま

はじめに

まず質問表に必要事項を記入していただきます。
その後、症状をより深く把握するためにヒアリングを行い、必要な検査を行います。

口臭測定

口臭の主な3つの成分の、それぞれの濃度を測定

主要な口臭成分とされる揮発性流黄化合物(VSC)を、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの三つの成分ガスに分離し、科学的に分析、測定いたします。

小型でありながら大学病院等にしか設置されてない、大型のガスクロマトグラフィーと同等の性能を有した最新の口臭測定機をもちいて、半導体ガスセンサと簡易カラムにより、高い測定精度を確保します。

測定結果は、PCディスプレイ上に数値をグラフ化して、表示いたします。

口腔水分量検査

口臭と関連の深い、口腔内の水分量を測定致します。

お口の中の水分のもととなる唾液の分泌量と質は、口臭に深く関わっています。 お口の中の水分量、唾液の量や口腔粘膜の乾燥の度合いを調べることで、口臭の原因を探ります。

唾液には、口臭のもととなる細菌の増殖を妨げる働き、細菌や食べかすを洗い流し、粘膜を保護し、歯の表面や口腔内をきれいにする働きなどがあります。

唾液不足が進行すると、舌や歯肉などの口腔内粘膜が乾燥し、腫れやひび割れにより出血や痛みを生じたり、舌がはりついて話しにくい、などの日常の不快感や口臭の原因となる場合があります。詳しくはドライマウス(口腔乾燥症)をご覧ください。

口腔内検査

視診や呼気の確認、歯周ポケット検査など、各種口腔内診査を行い、口臭の原因となる部位や症状を探ります。

  • 虫歯や歯周病があると、繁殖した原因菌による悪臭や、痛んで崩壊した組織からのにおいが原因となります。
  • 歯並びが悪いところ、親不知や過剰歯などが歯肉の上に適切でない形で露出している箇所などには、歯ブラシが届きにくい不潔域が生じます。そこに溜まったプラーク、歯石が口臭の発生源となります。
  • 過去の虫歯治療の修復物の内部が腐敗、劣化し、食べ物の残り滓が蓄積したり、その周囲の歯肉が炎症をおこして臭いを出している場合があります。詰め物や被せ物と歯の境い目、あるいは歯と歯の詰め物隣接部に診査用の探針やフロスを挿入して、独特の臭気を調べます。
  • 歯周ポケットが深くなっていると、そこが口臭の発生源となります。口臭のもととなる菌のかたまりを除去して、状態を改善していく事が必要です。
  • お口のプラークコントロールの状態を確認します。必要に応じて、クリーニング等を行います。
  • 口腔内粘膜の発赤、腫脹、びらん、潰瘍などの症状を確認し、口臭の原因となっているかどうかを確認します。
  • 舌の表面を覆う粘膜の角質層および、そこへの沈着物(いわゆる舌苔)の状態を調べます。舌苔は、口臭の原因となります。多すぎるのはもちろんですが、少なすぎても問題です。適度な舌苔は舌の粘膜の組織を守るために存在します。過度に除去を行うと粘膜組織が傷つき痛みを感じたり炎症を起こし、舌の腫れや表面の出血を生じ、逆に口臭の原因を生み出す要因にもなります。
    また、舌の運動機能が悪いと舌苔や食べかすが口腔内にたまり、口臭の原因となりやすいため、舌運動の確認も行います。

診断、治療

検査の結果、口臭の原因が歯科領域の問題であれば、そのまま治療を開始いたします。 口臭の多くはお口の中の原因によるものですが、口腔内以外の器官(鼻腔、咽頭、食道、胃、肺等)や心的な要因が関係する場合もあります。 当院口臭外来での各種診査による診断の結果、必要な場合は、各大学病院の口臭外来やドライマウス外来をご紹介致します。

口腔内クリーニング

お口の中をきれいにクリーニングすることで、口臭の原因となる菌のかたまりである、プラークと歯石をを取り除きます。歯肉炎の症状のある方の場合は、必要に応じて歯周治療を行います。

舌クリーニング

デリケートな舌の表面を傷つけないように、舌苔を適度に取り除く舌クリーニングで、お口の健康状態を取り戻し、口臭を改善します。

ドライマウス治療

ドライマウス(口腔乾燥症)の症状が見られ、それが口臭の原因となっている場合には ドライマウスの治療を行います。

乳酸菌療法

元々体内にいる有益な菌を積極的に増やして体の健康を守ろうという、プロバイオティクスの発想で、お口の常在菌のバランスを整えて、口臭の原因となる菌の繁殖をおさえる乳酸菌TI2711のタブレットを処方いたします。

マウスコンディショナー、オーラルリンス、セルフケアの指導など

マウスコンディショナー、オーラルリンス等を用いたトリートメント、機能を回復するトレーニングなどを行います。

口臭は日常の習慣が大きく関係するため、 医院での治療の他に、セルフケア、日常生活におけるアドバイス等、総合的なカウンセリングも行っております。

口臭対策を受ける際に

お口のにおいが気になっても、なかなか人には相談できません。 お一人で気に病んでしまうようであれば、歯科医院でチェックやケアを行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。

精度の高い検査を行うために、診査前や当日に注意していただきたい事が数点ございます。 口臭の検査をご希望の方は、事前にお電話で注意事項の確認をしてから、ご来院下さいませ。

診療名
口臭対策(検査、口腔内クリーニング、舌クリーニング)
診療の概要
検査を行い、口臭の度合いや、原因などを確認します。その後、原因除去のひとつとして、口腔内クリーニング、舌クリーニングを行います。
診療の副作用やリスク
全身疾患とも関連性がある場合もあるため、症状の改善度合いには個人差があります。口腔内に起因する口臭ではないときには、歯科では対応しかねる場合があります。口腔内クリーニングや舌クリーニングを行った場合、数日間粘膜に違和感を生じる場合があります。
診療の価格
治療費のページをご覧ください。