歯科材料として用いられるジルコニアは、純粋な酸化ジルコニウムに、イットリア(Y2O3)等を加えて、結晶の構造を安定化させたものです。
ジルコニアは、融点が2700℃と非常に高いため耐熱性セラミック材としても広く利用されています。
900~1300Mpaというセラミックとして最高の強度を持ち、透過性、 優れた生体親和性を有しています。
特に強度が優れているため、いままでのオールセラミックスでは適応できなかった症例でも、治療が可能になりました。
ジルコニア(安定化ジルコ二ウム)は特殊な性質を持つファイン・セラミックで、純粋な酸化ジルコニウムよりも、強度や靭性などの機械的特性に優れていることで知られています。
ジルコニアの優れた特徴の一つに、極めて破損しにくい点があげられますが、これは破損の原因となる亀裂が伝わるのを、結晶構造の変化によって阻止するためです。
ジルコニアが大きな力を受けると、結晶が体積膨張をしながら、構造を変化させます。
その際の体積膨張が、大きな力を受けて生じたクラックを押しつぶし、クラックの進展を防止するのが、ジルコニアの大きな特徴です。
この特異なメカニズムは「応力誘起相変体強化機構」と呼ばれており、このメカニズムによって、ジルコニアの靭性(材質の粘り強さ、外力によって破壊されにくい性質)の高さが支えられています。