一、二年に一人といった頻度でしょうか。顎がはずれたので治してほしい、という救急の依頼があります。 あくびや、突然の打撲によって顎関節が脱臼してしまい、口が閉じられなくなってしまうのです。
こういう時は、歯科口腔外科、あるいは耳鼻咽喉科や整形外科、柔道整復師に、早急に連絡をとり、処置の可否を問い合わせてください。
訪れる患者さんの多くは、はずれた関節の周囲に痛みを訴えます。 両顎がはずれた場合だと、口が大きく開けっぱなしになり、顔面の下半分がかなり面長な顔貌になります。 当然ながら患者さんは、正常な発音・発声はできませんし、口からよだれが垂れっぱなしだったりします。
治し方ですが、ヒポクラテス法という、古代ギリシャから伝わっていそうな(?)整復術があります。
術者が両手で、前方から患者さんの下顎を掴み、体重をかけて下顎を下方に引きながら、そのまま奥へ押し込む、といった動作になります。 患者さんもかなりの痛みを伴いますし、通常は患者さんの頭部が動かないよう、数人がかりで施術中、頭や上半身を抱えて固定してもらわないと、上手くいきません。
一般的な歯科医とすれば、日常の臨床において頻繁に出会う症例ではないだけに、実際の治療の経験がないと、短時間で的確に対応するのは難しいのではないでしょうか。
患者さんも、顎がはずれたのがはじめての場合、痛くてうまく喋れないので、気が動転してアタフタしている方がほとんどです。
脱臼が習慣化して慣れている方以外は、自力での整復は困難ですので、口腔外科を標榜している歯科に、早急にお問い合わせされることをおすすめします。