セラミックについて詳しく知る

セラミックの製作方法

 

オールセラミックの製作方法には、次のような方法があります。

  1. ポーセレン(セラミック)を築盛して焼成する方法。
  2. ガラスを溶解して鋳造する方法。
  3. 溶解、軟化させたガラスを加圧させ成型する方法。
  4. 材料となるセラミック体をCAD/CAMによって削り出し完成させる方法。
  5. あらかじめ結晶化されたセラミック体のブロックをCAD/CAMによって削り出して完成させる方法。
  6. 以上(1~5)の各方法を組み合わせて製作する方法。

このようにオールセラミック製作自体が多様な方法で製作されます。 そして、それぞれの製作方法によって、ポーセレン、ファインセラミック、アルミナ、ジルコニア等いわゆるセラミックと呼ばれるさまざまな素材が単独、または組み合わせて完成されます。

こうして作られたオールセラミックは、その素材、製作方法、また、メーカーや製造システム、技工過程によって、それぞれ特有の特徴を備えています。

セラミックの進化の過程

セラミックが歯科に応用されたのは1774年にフランスにて義歯(入れ歯)の人工歯として陶製の歯が製作され、装着されたのが始まりです。
1825年にアメリカにて、一般歯科医へ陶製の歯が発売され、その後広く大量生産、発売されました。

患者さんの口腔内の歯牙に直接セットするクラウンとしては、1903年Charles Landが白金箔に高融長石質ポーセレンを焼き付ける方法を発表したのが始まりです。これが現在のセラミッククラウンの原型です。
しかし、強度的に日々の咀嚼に長期的に耐えうるものでなく、破折症例が頻発しました。

1960年頃に長石質ポーセレンとそれを焼き付ける金属フレームの材質に画期的な研究成果が発表され、現在のメタルボンドクラウン(陶材焼付け金属冠)の基礎が完成しました。

1965年にガラスの中に40~50%アルミナ粒子を混和したセラミックが登場したことで、フレームに金属を使わないオールセラミッククラウンの作成が試みられるようになりました。

1980年代に入ると、ガラスを鋳造しその後結晶化を行い、強度を上げるという手法が開発されました。
その後90年代に入ると、セラミックの中へリューサイトや二酸化リチウムといった高硬度の粒子を高濃度に配合したセラミック素材が次々に開発され、オールセラミックの弱点であった欠けやすさが、徐々に克服されていきました。 この時期になると、1本欠損した歯を両隣の2本のクラウンで支えるという、いわゆる3本ブリッジさえオールセラミックで修復することが可能になりました。

また、セラミックの加工をCAD/CAMで行うことが実用化され、更に歯科分野へのジルコニアの登場により現在では4本以上のロングブリッジも可能になりました。

セラミック素材の組成

治療前治療後

セラミックの高硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性といった有意義な性質を最大限向上させる為、人工的に抽出、合成された高純度な微粒子を超高温で焼成されたセラミックを特に、ファインセラミックといいます。 歯科におけるオールセラミックの素材では、ファインセラミックが用いられています。 セラミックは金属と異なり、延性(延びる力)がほとんどありません。 日常的に使用されているセラミックである陶磁器が衝撃によって割れてしまうように、衝撃を延性によって回避し形態を維持しようとする力が弱く、クラック(亀裂)という形で形状に変化が現れ、また、その亀裂が伝播し、破壊へとつながります。亀裂の進行の抑制こそが、セラミックの強度の向上の要となってきます。 亀裂の進行を抑制する為、落としても割れにくいセラミックの陶磁器や、耐久性の高いセラミック包丁が誕生したように、さまざまなセラミックが開発されて工夫、改良が積み重ねられてきました。 こうして産み出された数多くのオールセラミック素材の組成は、大きく3つに分類されます。

  1. ガラスの内部に結晶粒子が配合されたもの。
  2. 多孔質の結晶体にガラスを溶け込ませたもの。
  3. 高密度に配列された結晶構造体。

こうやって大きく3つに分類されるオールセラミックの素材も、歯科用として実用化されて以来、製造メーカー各社の競争によって、セラミックの成分、製造方法が多種多様に開発、研究され、進化してきました。その進化は歯科技工所における技工過程のステップや技工スタイルへ大きな影響を与えてきました。

分散強化型セラミック

治療前治療後

歯科用オールセラミックの素材としてはまず最初に、研究、開発が行われたのが、歯科用語で「分散強化型セラミック」と呼ばれるセラミックです。
先ほど大きく3つに分類したオールセラミック素材のうち、まずガラスの内部に結晶粒子が配合されたものにあたるもので、ガラス内部に結晶粒子が20~40%配合され、それを焼成して作られるセラミックになります。

ガラスの中に石英やアルミナ、リューサイト、雲母、2ケイ酸リチウムといった高硬度の粒子が、それぞれのメーカーによって単独もしくは組み合わされて結晶粒子として配合されたものを、1000°Cを超える高温で溶解させ、あらかじめ歯の詰め物やかぶせ物として成形された鋳型に流し込み、その後何時間もかけて更に高度にコントロールされた熱処理をすることにより硬度が強化されます。

代表的な製品として、粒子に雲母(マイカ)を用いた「Dicorシリーズ」Dentsply社、「クリセラ」デントセラム社、「Empressシリーズ」Ivoclar社、「セラエステ」トクヤマデンタル社等が挙げられます。

高温で融解させて鋳型に流し、その後熱処理で硬度を上げていく方法からはじまったオールセラミックの鋳造法ですが、その後、鋳型に流し込んだ後に加圧しながら焼成する加圧成形法が主流になってゆきました。

用いられる粒子によって特性が異なり、アルミナは、石英やリューサイトより強度は強いですが、光の屈折率が大きく透明感は劣ります。雲母(マイカ)の場合、加工のしやすさがオールセラミックのCAD/CAMの応用を可能にしました。

また、極度に負荷のかかる大臼歯の使用に耐えられるよう、強度の向上が目指され、リューサイト強化型ガラスである「Empress」が、160MPaの強度を達成しました。

その後継である「Empress2」では、二ケイ酸リチウムが強化粒子として採用され、更に強度を上昇させました。

そして、現在発売されている同シリーズの最新型である「e-MAX」(Empress Maxの意)では、CAD/CAM型も登場し、プレスタイプで分散強化型セラミックとしては、最高の400MPaを誇っています。

ここで触れておきたい個性的なセラミックに「クリセラ」があります。
クリセラはリン酸カルシウム系結晶化ガラスであり、主成分が生体の骨や歯の構成成分と同じリンやカルシウムから成り立ち、生体適合性に優れており、酸化アルカリに対して極めて安定した性質をもっています。

ガラスの中に配合された結晶の割合は90%以上と極めて高く、わずかに存在するガラス成分と結晶成分の硬度がほぼ近似しています。そして、硬度が天然歯へのエナメル質と変わらない為、噛み合わせる対合歯のエナメル質を傷つけません。

配合した成分を、1300°Cを超える熱処理を15時間もかけてゆっくり行うことによってガラスからリン酸カルシウム結晶へと変化をとげ、直列に繊維状に配列を形成。加熱温度と加熱時間をコントロールさせることにより、透明感を変化させることも可能となります。

クリセラはこれだけユニークで機能的な特性を持つ分散強化型のガラスセラミックですが、残念ながら、その極めて高純度の結晶が配合されているが為に、接着システムにおいて、接着強度の面で他のセラミック製品と比較して不利な一面を持っていました。

いくらセラミックの製作物が優秀であっても、実際使用される口腔内で十分に維持安定していなければ、用をなしません。そのためには、歯とセラミック自体が強固に接着されなければなりません。

現在では、クリセラのもつ生体適合性や透明感を備えた後継素材の開発がおおいに待ち望まれるところです。

ガラス浸透型セラミック

 

オールセラミックの分類の2つ目、多孔質の結晶体にガラスを溶け込ませた「ガラス浸透型セラミック」についてです。

ガラス浸透型セラミックは、一度1100°C前後で焼成した多孔質のセラミックの結晶に、更に高温で溶融した流動性のよいケイ酸ランタンガラスという特殊なガラスを浸透させながら、今度はやや低温の1000°C前後で焼結させるという製法で作られます。
多孔質な空間に堅密にガラスが流し込まれることにより強度が極めて向上します。

Vident社から発売されている「インセラム・アルミナ」「インセラム・ジルコニア」「インセラム・スピネル」などが、ガラス浸透型セラミックとして挙げられます。

アルミナの透明度の低さを改良する為に、酸化アルミナに変えて多孔質スピネル(MgO・Al2O3)を主成分に、ガラスを浸透させた「インセラム・スピネル」は、透明感を必要とし、口腔内で比較的大きな負荷がかかりにくい前歯部のオールセラミッククラウンのフレームとして用いられます。

アルミナに安定化ジルコニア(Ce-TZP…セリア系安定型ジルコニア)を約30%添加したものにガラスを浸透させたものが「インセラム・ジルコニア」です。アルミナとジルコニアの双方の特徴を持っています。

ジルコニアが配合されたことにより強度が向上し、多孔型アルミナ(Al2O3)を主成分とした「インセラム・アルミナ」の曲げ強度は450MPaであったものが、600MPaまで上昇しました。

また、焼結粒子の間隙に浸透したガラスは強度の面だけでなく、その透明度と着色性により審美的な要素に有利に働きます。インセラムシリーズの各セラミックは、CAD/CAMでも加工することが可能です。

高密度焼結セラミック

 

最後に、高密度に配列された結晶構造体である、高密度焼結セラミックについてです。

高密度焼結体としては、高純度のアルミナまたは部分安定化型ジルコニアが用いられています。
高純度アルミナを用いた高密度焼結セラミックにノーベルバイオケア社の「プロセラ・アルミナ(Procera Allceram)」があります。

アルミナの純度は、ほぼ100%に達します。CAD/CAMで設計、製作された模型に7tもの加圧で圧縮成形された高純度アルミナは、1700°Cで焼結され、緊密に結晶化され、完成します。

セラミックの欠けにくさ、割れにくさは曲げ強度と破壊靭性(粘り強さ)によって評価されます。プロセラアルミナは曲げ強度600~700MPa、破壊靭性4MPa/m1/2(一般的なガラスセラミックはそれぞれ100MPa、1MPa/m1/2)という耐久性を持ち、欠損した歯を補うためのブリッジとして十分に使用可能になりました。 また高密度、高純度のアルミナは極めて良好な透明感をもちます。

ノーベルバイオケア社は更にプロセラシリーズを進化させ、ジルコニア焼結体を用いた「プロセラ・ジルコニア(Procera Allzircon)」を発表しました。

プロセラ・ジルコニアの強度は1120MPaまで上昇しました。これによって、フルブリッジ(14歯分の連結したブリッジ)が可能になっています。

Dentsply社の「セルコン(cercon)」は、技工士が製作した原型から、ジルコニアブロックを直接CAD/CAMによってジルコニアを形成します。そしてそれを1350°Cで6時間焼成し、高密度焼結ジルコニアを完成させるという方法で製造されます。セルコンの破壊靭性(粘り強さ)は、9.5MPa/m1/2を達成しています。

1998年に発売された「セルコン」と同様の手法、つまりジルコニアブロックからCAD/CAMによって直接デザイン、製作された素材を高温焼成して完成させるという製作法は、歯科においては現在のジルコニア製作物の主流となっています。

日本では2005年に厚労省により薬事承認され、現在では、ジルコニアの原材料の安定した工業生産と、CAD/CAMの進歩により、極めて急速に歯科の多様な技工物へ応用されています。

CAD/CAMの技術の発達により2011年にはジルコニアのみでクラウンを製作するといういわゆるフルジルコニアという製品「ZENOSTAR」(WIELAND社/大信貿易)が開発されました。

現在主な製品だけで「Lava Plus 」3M ESPE社、「ZENOSTAR」WIELAND社/大信貿易、「KATANA Zirconia」クラレノリタケ社、「inCris TZI」シロナ社、「Cercon」Dentsply-sankin社など、各社から発売されています。

これらの各ジルコニアは、各製品1000MPa~1400MPaの曲げ強度と、10MPa/m1/2の靭性(粘り強さ)を持ちます。つまり一般的なガラスセラミックの10~15倍の壊れにくさを備えているのです。

各製品によって、色調や透明感のバリエーション、加工精度の違いがあり、それぞれ患者さんの症例に応じて選択、製作されるべきものであります。

セラミックの特徴と改善

ここまで述べたように、オールセラミックに用いられるセラミックは、3つの大きな分類分けができますが、それぞれのセラミックが強度や審美性を向上させる為に、独自の、また互いが影響を与えながら進化してきました。

基本的には、金属と比較して美しく審美性に富むセラミックという素材を、審美性を保ちつついかにして金属の強度に近づけるか、あるいは、その強度を追い越すかの努力の積み重ねであったのです。

素材の脆さを測る指標である材料の引っ張り強さと圧縮強さの比を比較してみると、金属材料の中でも最も脆い材料の一つである鋳鉄でさえ1/3~1/4であり、一般的なガラスセラミックはこの比が1/10以下にしかすぎません。

これでは、外力が加えられると応力がひずみへ変換されないので変形を起こさず、そのまま応力に耐えきれなくなった時点で破断してしまいます。いわゆる「脆性破壊」を生じます。

逆に通常金属は外力に応じてひずみを起こし、そのことによって応力を開放します。そして限界まで延びることにより生じた破断を「延性破壊」といいます。

金属は、規則正しく配列した原子の周りを自由に動き回る自由電子に囲まれていますが、セラミックはこうした金属結合とは全く異なり、プラスマイナスイオン同士が引き合っているイオン結合、あるいは原子の最も外殻の電子をとなり合った原子と共有し合って配列している共有結合で成り立っているものがほとんどです。

こうしたセラミックの原子構造の為、一般的に他の物質から力を受けた際の弾性係数が大きくなり、方向性のある結合性の強い配列が密度を小さくし、したがって表面エネルギーの低下をもたらし、外力に対して脆性破壊という破断的な崩壊を生じます。

こういった原子間の結合の違いや、方向性をもった原子配列から複雑な結晶構造を産み出し、その配列の形態により電子の転位が金属と違って起こりにくいのです。

直接的に機械的性質に影響を与える結晶構造の差異だけでなく、一般的に微細構造と呼ばれるセラミックを構成している結晶構造とガラス相の混在性、空隙や気孔、亀裂といった要素の大きさ、分布状況なども含めた組織自体に特色があり、これらの条件に大きく支配されています。

セラミックの微細構造を左右する原料やその配合比、そして製造条件は、さまざまに工夫され研究され続けているのです。

例えば、セラミックが加熱、焼成への温度、時間といった条件は、セラミックの微細構造の成立に大きく寄与し、機械的性質に影響を与えるのです。

セラミックは化学的構造上、脆弱破壊を生じやすい素材です。この性質を欠点として改善するには、高硬度化や靭性(粘り強さ)を大きくすることが、目標となります
この目標を到達するには、外力によって生じたクラック(亀裂、ひび割れ)の進展を抑制する必要があります。

構造変化でクラックを抑制

例えば、ジルコニアセラミックにおいてはその微細構造に加わった応力によるクラック(ひび割れ)が生じたとすると、ジルコニアの結晶が正方晶という形から単斜晶という形へと変化を起こして、結晶の体積を膨張させ、結晶構造が緊密化されます。

その力が最も伝導する亀裂の先端部分で、その結果先端の周囲への結晶化構造にはひずみのエネルギーが蓄積される層ができます。その層によって亀裂の先端部の応力が解放されます。こうして力が伝播していくことを防ぎ、クラック(ひび割れ)の進行を抑えられるのです。これがジルコニアの「マルテンサイト変態」と呼ばれるものです。

ジルコニアには3つの結晶系があり、それぞれ単斜晶、正方晶、立方晶と呼ばれています。この3つは、温度によってそれぞれの形へと変化していきます。
先ほど述べたマルテンサイト変態は、正方晶から単斜晶への変態でしたが、この時4~7%もの大きな体積変化が生じます。

通常ジルコニアは室温では単斜晶で存在し、1170°Cで正方晶、2200°Cで立方晶に変態するという性質を持ちます。 ここで、ジルコニアにZn(ジルコニア元素)より大きなイオン半径をもつY(イットリア元素)や、Ce(セリア元素)のイオンを極微量添加すると、常温でも存在できるようになります。
また更に、添加量を少なくすると、正方晶が常温で安定した形で存在することが可能になります。 この正方晶が極めて安定した状態を部分安定化ジルコニアといいます。

いわゆるオールセラミックで用いられるジルコニアは、この部分安定化ジルコニアと呼ばれる100%正方晶ジルコニアのことです。
この結晶で構成される焼結体は正方晶ジルコニア多結晶体(TZP)と名付けられ、イットリア安定型ジルコニア系(Y-TZP)とセリア安定型ジルコニア(Ce-TZP)に大きく分けられます。

オールセラミックで用いられるジルコニアは、ほとんどがイットリア安定型ジルコニア(Y-TZP)を用いて製造されています。これは東ソー社によって、イットリア安定型ジルコニア(Y-TZP)の原料粉末が大量に安定供給されるようになったことも影響しています。

Ce-TZPはY-TZPに比較してさらに靭性(粘り強さ)が高いのですが、曲げ強度と硬度が劣る為、実用化が遅れていました。しかし、Ce-TZPにアルミナ(Al2O3)粒子に特殊な複合を実現することにより、これからの弱点を改善克服しました。

これこそが双方向ナノ複合化という画期的なアイデアであり、Ce-TZP結晶内に数百nmの大きさのアルミナ(Al2O3)粒子を、さらにAl2O3結晶体に数十nmの大きさの極めて小さなサイズのCe-TZP粒子を取り込んだ組織を複合化して結晶構造を構築するという前例のないユニークな概念でした。

極めて高純度結晶体であるがゆえに、取り込まれた結晶体の1つ1つのエネルギーによって結晶体同士の境界面が活性化され、強化されるのです。

この新素材は旧松下電工によって研究開発され、引き続いて現パナソニックヘルスケア社によって「P-ナノZP」として発売されました。
曲げ強度が1400MPa、靭性(粘り強さ)が15MPa/m1/2にも達し、クラウン、ブリッジだけでなく義歯(入れ歯)のフレームにさえ利用可能になったのです。

また単独のクラウンにおいては、噛み合わせの面で0.5mm、最小で0.3mmまで薄くして利用できます。 ちなみにパナソニックや京セラといった大手電機、電子機器メーカーが歯科材料の分野に参入し、大きな役割を果たしているのは実に興味深いところです。

セラミックの微細構造の研究成果は、こうした強度の問題だけでなく、その長所である審美性や生体親和性、歯科材料としての接着など、多様な条件に関して進歩し続けているのです。

ジルコニアは単独では他のセラミックと比較して、永らく色調再現性が劣っていました。白さが際立つ歯は作成できるものの色数のパターンが限られており、もとの天然歯の色に似せる事が難しい症例がありました。(その場合は、他の歯をホワイトニングして色をあわせる事で、お口全体のバランスを調整できます。)

しかし近年は結晶構造の改良が進み、色調にかなり幅を持たせる事も可能になりました。 ジルコニアへの着色法も、粉末のジルコニアに着色材を配合し、ブロック化させて高温で焼結する前に着色剤を浸透する方法、焼結された補綴物の表面に薄く着色剤を焼き付ける方法など、さまざまな工夫がされています。

またジルコニアは、緊密で高純度な微粒子で成り立っている結晶体であるがゆえ、他の材質との接着が困難でありました。製品化最初期には他のセラミックの焼き付け、コンビネーションが難しく、剥離を起こしやすい事もありました。
ただし、現在ではこの問題もほぼ完全に解決され、逆に他のセラミックより焼き付けの強度が強化されています。

通常のセラミックを歯質などに接着する際、接着面に酸処理を行い、顕微鏡レベルでの粗造な凹凸面を作ることにより、接着面積を増やし、機械的嵌合力を上昇させるのですが、ジルコニアの耐酸性、耐アルカリ性で高純度結晶には酸処理の効果がありません。
これらの他の材質のものへの接着の問題を解消する為、表面処理の方法がいくつも考案され、現在もその接着力を向上させる為に研究が進んでいます。

極めて粒子が緊密に配列されて結晶化されているため、細菌バクテリアが定着しにくく、いわゆるバイオフィルムが形成されにくい、生体にとって極めて親和性が高い材質でもあります。

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セラミッククラウン

オールセラミッククラウンは、冠全体がセラミックで出来ているクラウン(かぶせ物、差し歯)です。

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軽い虫歯ができた場合に、患部を除去し、除去後にできた歯の隙間を埋めるように、治療物で補う詰め物の治療です。

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セラミックアンレー

虫歯が進んで除去する箇所が大きく、かみ合わせの部分全体を補うことになった場合の治療が、アンレーです。

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メタルボンドクラウン

オールセラミッククラウンは、冠全体がセラミックで出来ているクラウン(かぶせ物、差し歯)です。

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ガルバノクラウン

ベースとなる金属冠を極薄の金含有率99.9%以上の純金で作製し、その表面にセラミックを焼き付けたクラウン(単冠)の治療。

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ラミネートベニア

極薄のセラミックのシェルで歯の表面をコーティングして美しく整えます。ドクターの技量の差が出やすい治療でもあります。


セラミックブリッジ

失った歯を補うために、両隣の歯を支えにして、上から連結した治療物をかぶせる治療法。

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診療名
セラミック治療(ハイブリッドセラミック、オールセラミック、キャスタブルセラミック、e-max、ジルコニアを用いたインレー、アンレー、クラウン。ラミネートべニア。ファイバーコア。)
診療の概要
セラミック治療は古い差し歯や被せ物を治療したり、部分的な歯並びの矯正を行ったりすることができる治療です。矯正に比べて短期間で歯並びの改善ができます。
診療の副作用やリスク
歯や歯茎のお痛みや知覚過敏。外科処置を併用する場合もあり、その際に腫れたり出血を生じる事もあります。麻酔を行った場合、術後痛が生じる事があります。最終補綴物(セラミック)や、治療途中における仮歯が破損したり、脱離したりする事もあります。付随した治療(根管治療や抜歯処置)が必要な場合もあります。術後の違和感が消失するまでの期間には個人差があります。
診療の価格
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